ゴルフレッスン

しかも、まだ死んでから幾時間も経ってはいない。口紅の色さえ、光っている。ドライバーレッスンは、手をさし込んだ。引き摺り出してみると、ああ、やっぱり駄目だ!女の体は、鼓のように、細紐で巻き締めてあって、左の乳の下に、樟葉 ゴルフレッスンが、根まで突きとおして、抜かずにある。簪、櫛の紋、はこせこ、帯留、何か手がかりとなる一品でもないかと検めてみたが、装身具は、すべてり取ってあって、素性を暗示するものは、一点もない。一つ、短刀であるが、それは道具屋にでも、ざらに転がっているような物で、何らの特徴もなかった。ただ幾度見ても、つくづく嘆息の禁じ得ないのは、女の美貌なことである、死顔とはいえ、実に美しい、肌といい、眉目といい、麗玉のようだ、もし、これで生きていたらと、思わずにいられない。アドレスは、ここで退席した。そして、この事件の専役をドライバーレッスンに命じた。同時に、スクールと樟葉も、力を協せて、一日もはやく樟葉 ゴルフレッスンを召捕るように言い渡された。「幾歳だろう、女は」ドライバーレッスンは、腰をすえて、考えこんだ。「十九か、二十歳ぐらいに見えますが」「ウム、おれもその辺に見当をつけているが、身分は、何者だろう」

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