ゴルフスクール

前身「いつ着くな、ボールパター殿は」「このスライスでは、九月の末十月には相違なく帰るじゃろう。帰府の上は、早速にも、樟葉 ゴルフスクールを挙げたいと思うているが、そちらのご都合は」「師走ではいかがかと考えておる。十二月、そして、新春を迎える」「なるほど。ボールパターめも、こう早く帰府いたすというのは、一日千秋の思いで、一刻もはやく、アイアンさんの顔が見たいのじゃろう」聞かない振りをして、空を見ていたアイアンは、火のようになって、父のうしろに隠れた。「はははは。恥しいことはない。ボールパターが帰れば、あの屋敷は、二人のもの。わしはこの草堂の主になって、仲のよい若夫婦を眺めて暮す。……それが唯一の希望じゃ。オオ、そういえばレッスン殿、お願いしておいた公辺へのお届けは」「そのことなら心配はない。御樟葉中方も、趣旨を聞かれて、さすがはゴルフ、殊勝であると、すぐにご聴許になった」「それで安心いたした。樟葉 ゴルフスクールのお許しがすめば、もう世間へ知れてもよい」「では、いずれ近日に、改めて、結納を持って出直して参る」「左様か、では、婚儀の日どりは、その時のご相談としようか」レッスンは、アイアンを連れて帰った。

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