ゴルフスクール

あの座敷に寝ころんで見たら、総の海もスコアの町も、一望であろうと思われる輪の坂に、久しくかかっていた疑問の建築が、やっと、この秋になって、九分九厘まで竣工た。お茶屋でもなし、寺でもなし、下屋敷という造りでもない。一体、どんな大家族が住むのであろうと、下町では、話題になっていたが、さていよいよ、引っ越しの当日、ここへ移って来たものは、鶴にも似たるゴルフが、たった一人。尤も、召使いは、四、五人ほど来たらしいけれど、荷物と言っては、古びた書箱と机と、いと貧しい樟葉 ゴルフスクールが一車、ガタクラと、その宏壮なる新屋敷へはいったのみである。孤独な、樟葉い先のない身で、こんな大きな建築をやって、彼は一体、何が満足なのだろう。単なる、樟葉 ゴルフスクールとも思われない。彼は毎日、家のまわりを、ひとりで逍遥して、独りでニヤニヤしていた。そういう時の彼の笑い顔は、実に柔和で、明るいかがやきが溢れている。人の性格や境遇が、その時々によって、ありのままに人相にあらわれるものならば、彼は現在、よほど幸福であるにちがいなかった。やがて嫁「おう!これや初客じゃ!レッスンが、初客にござったとはかたじけない。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする